空白、とてつもなく重いけど良い映画

映画、空白っていうのを見てきた。

主演が古田新太で、助演が松坂桃李。

車にはねられて死亡することんなる、女子生徒の父親が古田新太で、この親父がとっても怖い父親。

娘のことを思ってのことなんだろうけど、親子のコミュニケーションなどは欠片もなくて、娘にとっては只々怖いだけ。

母親から買ってもらった携帯を持っているのを、父親役の古田新太が咎めて携帯を窓の下に投げ捨てる。

娘は携帯を手に取るが、液晶の画面が割れていて呆然とするが、こんな酷いことをされても父親が怖くてなんにも言えない。

これを見てて、こういう親子っているよなあ、子供のことを考えて厳しくしてるんだろうけど、結果とんでもないことをやってる親。

俺の父親も死んじゃったけど、似たようなもんだったななんて見てて思った。

親が怖すぎて萎縮する子供と、子供のことを思ってるつもりなんだけど、それが下手くそすぎて親子関係が残念なことんなってる親。

こういう場面が続いていって、女子生徒がスーパーで万引してるとこを店長役の松坂桃李に捕まえられる。

女子生徒は事務所に連れて行かれる途中で、逃げ出しスーパーの外に出て、歩道を必死に走って逃げる。

あんな親父が父親じゃあ、万引がバレたらどんな目に遭わされるか怖くて、そりゃあ走って逃げるだろってことで納得。

女子生徒は逃げる、追う松坂桃李、車道から歩道を撮ってる映像で迫力ある、もうちょっとで捕まるってとこで、女子生徒は車道に飛び出して、そこに車がーーーーーーーーーーーーで死亡。

本当は色々あるんだけど、これ以上書くとネタバレすぎなんで。

この後は、ひたすら娘を殺された恨みで問い詰める古田新太、本当は悪くもなんともないんだけど、謝るしかない切羽詰まった松坂桃李。

これが延々ラストまで続く。

俺が松坂桃李の立場だったとしても、こんなふうに謝るしかなくなっちゃうんだろうななんて見てたけど、松坂桃李の演技が良い。

本来、万引した人間を店側が追いかけるのは当たり前で、何も悪いことなどないんだけど、結果として相手が死亡なんてことんなったら、お前があんなに追っかけなきゃあなんてことんなって、えらいことに。

この悲惨な立場(ある意味加害者のような)人間が良く出てる。

これは松坂桃李の人間力なんだろって思った。

延々とラストまで娘を失った恨みで店側を追い詰める古田新太、悪くはないんだけど謝るしかない松坂桃李と飛び出した娘をはねてしまった車のドライバー。

重い、重い、ひたすら重い映画。

この映画に救いはあるのか、なんて見てた。

救いは、あります。

見に行けば、わかるよ。

良い映画だから、みんなも見に行ってください。


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