出歩けない筈なのに
これは、俺が平成22年(2010年)に経験した体験です。
俺の父親は平成22年の9月の末に亡くなったんですが、通夜、葬式も滞りなく終わり、それから一ヶ月くらい経った頃の話です。
昼間の午後2時くらいだったかな、俺が家にいたんだから土曜か日曜日だったんだと思いますが、玄関のチャイムが鳴り、出てみると70歳くらいの男の人でお参りさせてくれとの事だったので、1階の座敷に上がって貰いました。
その方は元県会議員をやってらした方で、家の父がその方の選挙を手伝った縁が有ったものですから。
雑談を交わしていると、「あんたんとこの、お父さんとリオンドール(自宅から歩いて2、3分の所にあるスーパーです)で会ったいね」
「すいません、家の父はその頃、寝たきりでそんなとこまで、行ける筈がないんですが」
「いや、確かにあんたんとこのお父さんだったいね」
「本当に間違い有りませんか、寝たきりだったから、歩ける訳ないんですが」
それから、その方に年を押して聞いたんだけど、絶対に間違いないとの事だった。
ひょっとして、嘘を言ってるんじゃないかと、その方の表情を覗ったんだけど、嘘を言ってる風じゃない。
絶対に有り得ないんだけど、本当にあったとしか思えない。
俺の父親は平成21年の11月の半ばから、寝たきりになり、その翌年の9月末に亡くなったんだけど、自力でベッドから背中を起こして座ることも出来ず、歩いて10歩ほどのトイレにも行けなかった。
ある時など、夜中の2時か3時頃だったか、下から「オーイ、オーイ」と呼ぶ声が聞こえるんで、下に降りてみると、トイレに行こうとしたのに、行けなくてその半ばほどの廊下で力尽きて、助けを呼んでたなんてのもあったっけ。
そんな人間が、歩いて2、3分掛かるスーパーまで行ったなんていうのは、有り得ないし絶対無理。
幽霊か、いや、あん時は生きてたんだから幽霊ってことには、なんない。
生霊っていうやつか?
この世の中には、絶対に科学では説明できない、有り得ないことが、有るんだってこと。
作り話じゃないよ。
本当に、あった話。

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